Dream e-college > スペシャルエディション > Dream ワークス > Vol.3 後編 小玉健児 さん

Dream ワークス

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株式会社サンミュージックプロダクションhttp://www.sunmusic.org/
第二制作部 課長
小玉 健児さん KENJI KODAMA
1977年4月13日生まれ 東京都出身

2000年  3月 千葉大学教育学部 小学校課程卒業
2000年  3月 アルバイトとしてGAPジャパン入社
2001年 10月 有限会社シス・カンパニー入社
2003年  5月 株式会社サンミュージック入社

大学入学直後、演劇サークルの新入生歓迎公演に衝撃を受け、のめり込むことに。その翌週には演劇サークルに参加し、芝居漬けの大学生活がはじまった。そして大学3年生の時、第三舞台の「朝日のような夕日をつれて97」を観て、エンタテイメントの素晴らしさに感動する。その後、劇団「惑星ピスタチオ」の舞台に夢中になり、自らワークショップを受けるようになった。卒業後、俳優を目指してアルバイトをしていたとき、朝日新聞のある求人広告が視界に飛び込んできた。表舞台から裏方への分岐点。その日から芸能マネージャーの道を歩むことになった。そして2003年5月、株式会社サンミュージックに入社。現在は「松田悟志(仮面ライダー龍騎/ケイタイ捜査官7)」「柳沢なな(仮面ライダーキバ)」の担当マネージャーとして活躍中。

「アルバイトで他の仕事を経験したことで、芸能マネージャーが
自分にとって良い仕事だなって思えるんです」

GAPジャパンでアルバイトをしながら俳優を目指し、ワークショップに通う日々。でも薄々、もしかしたら俳優になるのは無理かもしれないと感じていた。「小玉君の芝居は小手先だね」
ある日、ワークショップでそう言われたことがある。それが表舞台から裏方の仕事に視野を拡げさせるひとつのきっかけだった。そして俳優事務所のシス・カンパニーの門を叩く。俳優を目指していた小玉さんが、芸能マネージャーとして一歩を踏み出すことになった。しかし、ここで歩みが後退することになる。いま思えば、その経験が自分を成長させる貴重な経験だった。

編集部
「シス・カンパニーから、現在のサンミュージックにはどうして転職されたのでしょう」

小玉
「いや一般的に言われる転職ではないんです。実は当時、入社予定の会社があって退職したんです。ところがその会社の状況が変わって入れなくなっちゃたんです。」

編集部
「つまり、突然無職になってしまったということですか」

小玉
「そうですね。入社して1年ちょっと、2002年の年末でした」

編集部
「入社するはずの会社に入れなくなった。どうされたのですか」

小玉
「まずは生活していかなければならない。そのためにはお金が必要でアルバイト生活に戻りました」

編集部
「どのようなアルバイトを」

小玉
「当時、インターネットのADSLを街頭で契約する仕事があったんです。2003年の年明けからはじめました」

編集部
「どうでしたか。振り出しに戻ったアルバイト生活は」

小玉
「アルバイトをはじめて2日目のことでした。池袋の地下街が拠点で、上司の方から言われたんです。頑張って、いままでの契約記録を出そうって。その結果、記録を出せたんですね。みんなでパフォーマンスをして、力を合わせて頑張った。そのときの仕事振りが上司から認められて、管理する側になったんです」

編集部
「管理する側とは」

小玉
「自分で契約をとるのではなく、チームのマネジャーとしてメンバーに契約をとってもらう立場です」

編集部
「立場が変わって、いかがでしたか」

小玉
「契約をとるということは、数字をあげなければならい。それも自分ではなく、チームのメンバーに結果を出してもらわなければならない。つまり契約すべき目標件数をどうやってクリアしていくのか。チームのみんながゴールに向かって前進していかなければならないわけです」

編集部
「この経験によって、ご自身に変化はありましたか」

小玉
「自分自身がやることから、人を動かして目標に向かい、乗り越える楽しさ、喜びを感じるようになりました。みんなを率いて結果を出すことが面白くなってきた」

編集部
「その当時、エンタテイメント業界のことはどう考えていたのでしょう」

小玉
「復帰するために、就職活動は続けていました。何社か履歴書を送付したりしていました。でもいま思うのは、GAPジャパン、ADSLの街頭契約のアルバイトを経験して本当に良かったなって。目標達成のためにどうすべきか。その目標に向かって人にどのように動いてもらうのかを学ぶことができたからです」

編集部
「いまの仕事に対する見方にも影響がありますか」

小玉
「比較できることですね。僕は、いきなり芸能マネージャーになったのではなく、他の仕事を経験した。そのことによって、いまの仕事が自分にとってどうなのかを比較して考えることができるんです」

編集部
「比較していかがですか」

小玉
「自分の性格、志向が生かせる仕事だと感じています。芸能マネージャーって、自分にとって本当に良い仕事だなって」

編集部
「再びはじまったアルバイト生活からサンミュージックへの転機は」

小玉
「横浜市営地下鉄のセンター南駅の現場に入っている時、サンミュージックの方から電話をいただいたんです。営業ができるスタッフを探しているんだけど、どうって(笑)」

「凹んでいられる仕事ではありません。
僕が仕事をとってこなければ、担当する俳優は生活できないんですから」

編集部
「小玉さんが仕事をとってこなければ、担当する俳優さんは仕事がないということですよね」

小玉
「そうです。俳優が光るためのきっかけ、その機会を作り出すことが仕事です。そのためには、まずチャンスをいただかなければなりません。台本を読んで売り込むとか、オーディションとか、面接とか。もちろん他のマネージャーが取ってきてくれることもあります。でも待っていてチャンスが巡ってくる世界ではありません。マネージャーである自分が動かないと、何も生まれない」

編集部
「俳優のスケジュールを埋めることのプレッシャーは」

小玉
「ありますよ、もちろん。今月はスケジュールが埋まっているけど、来月はどうなるんだろうとか。実際にあった話ですが、丸坊主にしたらドラマで役をいただけるチャンスがあったんです。印象的な役どころだったので、やらせたいなあって。でもここで丸坊主にしたら次はどうなるのか。結局断らざるをえませんでした。そうなると、スケジュールが空いてしまうわけです。気持ちを入れ替えて。それを埋める仕事を探してこなければならない」

編集部
「でもそう簡単ではないですよね」

小玉
「それが楽しいのかもしれません。プレッシャーに打ち勝って仕事が決まった時の喜びですね。決まらないものはしょうがない。それを引きずって、ボーっとしていればいつまで経ってもスケジュールを埋めることはできません。自分の中で次のステップ、その次のステップというものを設定し、考えて行動し続けることが大切になります」

編集部
「担当する俳優の生活を背負っているだけに、気を抜くことはできない」

小玉
「だから、なかなか仕事が決まらなかったり、失敗したとしても凹んでいることはできません」

「おそらく、どこまでいっても満足しないものだと思う」

編集部
「芸能マネージャーになるにはどうすればいいのでしょう」

小玉
「なるのはそう難しいことではありません。続けていくことが大変な仕事です。言い換えれば、続けていくことにやりがいがある仕事ですね。続けることによって自信をもつことができるようになる。僕自身、いまでもこれで良かったのだろうかって、迷うことがたくさんあります。でも嫌な汗をいっぱいかくことで、自分が成長しているという実感はありますよ」

編集部
「小玉さんにとって、仕事の喜びは」

小玉
「自分が担当している俳優、自分が仕事を決めた俳優がテレビであったり、映画であったり、舞台であったり、スポットライトを浴びていることが自分の中で気持ちいい。そしてその仕事がプロデューサーから評価され、再びオファーをいただければ本当に嬉しいことです」

編集部
「撮影現場に立ち会うことはないのですか」

小玉
「人にもよりますが、僕はあまりありません。例えば撮影の現場は、俳優と撮影スタッフの戦いの場だと思っています。確かにマネージャーが立ち会うべき場面はありますが、そうでない場合も多くあります。僕としては、現場で立ち会うことよりも、営業として仕事をいただいてくる方が芸能マネージャーの役割として大事だと考えています」

編集部
「これまで辞めたいと考えたことはありますか」

小玉
「ちょくちょく考えますよ。でも、思うんです。じゃぁ、もし辞めたとしていまの自分に何ができるんだろうって。そう考えると、まだ修行の立場というか、勉強すべき場所にいるんだなって思います」

編集部
「いまの自分に満足はできていないということでしょうか」

小玉
「去年の自分より、今年の自分は確かに良くはなっていると思います。でもそれでいいのかって考えると、まだ頑張れると思っています」

編集部
「小玉さんにとってどうなったら満足できるのでしょう」

小玉
「多分、大きな満足にはなかなか辿りつかないのではないでしょうか。俳優の仕事をいただく、スケジュールを埋めていくということがひとつの満足です。そのひとつひとつの満足の積み重ねによって、いつかは自分にとって大きな満足につながっていくのだと思っています」

「いつかは自分が育てた俳優で、自分がやりたい舞台を実現してみたい。
それも自分のプロデュースで」

編集部
「俳優の育成プランは描くけれど、実際に成長させていくためにはどうされているのですか」

小玉
「営業の仕事としては、プランに適した良質な仕事をきっちりといれていくことです。実際に、俳優は現場でないと育ちません。たとえば撮影スタッフの方々とのコミュニケーションなど、リアルの現場に行かないと分からない部分が多くあります。また、その現場で出会った他の俳優さんとの巡り合わせですよね。アドリブで面白い方向に転がったりだとか、化学反応が起こることがあります」

編集部
「そのような仕事に巡り合うための営業とは」

小玉
「これさえやっていれば正解という公式がある仕事ではありません。その場その場で、自分で判断していかなければならない。なぜならエンタテイメントの世界には、“鮮度”というファクターがつきまとうからです。これは無視することができない。たとえば、この俳優だったらいま勢いがあるし、もう少し強気で営業をすることができる。一方、平行線にある俳優であれば、ランクを少し下げてでも仕事をしておくことが大切な時もあるわけです」

編集部
「その点が、カタチのある製品のセールスとは異なる点ですよね」

小玉
「そうです。鮮度、つまり営業する俳優がいまどのような場所にいるのかを常に把握しておかなければなりません。状況は常に変化していますから。だからいつも同じ目標ではいけないし、自分で軌道修正していかなければならないのです。たとえ1シーンでも、目立つ役どころであれば仕事を受けることも重要。それが次の仕事につながる場合もありますから」

編集部
「単純に目の前にある仕事をとることが完結ではないと」

小玉
「担当する俳優にとって、次につながることを常に考えています。ハードで厳しい仕事だけど、このプロデューサーの下でやっておけば必ず次のチャンスがあるとか、そのようなことを考え、常にリアルタイムで判断しています」

編集部
「毎日が違う環境の中で仕事をされているということでしょうか」

小玉
「毎日が宿題の積み重ねです。今日が昨日と同じ仕事をするわけではありません。自分がアクションを起こすことによって、何かしらが返ってくる。でも同じことが返ってくるわけではありません。ああすれば良かった、こうすれば良かったと考える毎日です」

編集部
「区切りのない仕事でしょうか」

小玉
「区切りはあっても、終われない仕事。いつまでも終わることがない仕事かもしれません」

編集部
「小玉さん自身、今後もエンタテイメント業界で仕事をされていくのでしょうか」

小玉
「どのようなカタチであれ、エンタテイメント業界にいると思います。いくところまで行って、どこまでやれるのかを自分で見極めてみたいんです。でも管理職になって、デスクワークという立場になったら、息苦しさを感じてしまうかもしれませんが」

編集部
「エンタテイメント業界で、今後の小玉さんの目標を教えてください」

小玉
「脇で末永く活動できる俳優を育ててみたいですね。そしてマネージャーと言うよりは、俳優のエージェント的な仕事ができればと考えています。しっかりとひとりひとりの俳優と向き合い、方向性を考えてプロデュースしていく。そして、その自分が育てた俳優で、自分がやりたい舞台を実現する。それも自分のプロデュースでできたら、こんなに嬉しいことはありません」

編集部
「では最後に、全国の大学生のみなさんにメッセージをお願いします」

小玉
「自分の中でやりたいことは実際に口に出して欲しい。そうすれば周りの人たちが自分自身をそのような目で見てくれるようになります。それとゴールを作ること。もし自分が望んでいないポストに就いたり、状況にいたとしても、その中で自分を成長させるゴールを作れば結果はついてくると思います」

編集部
「ありがとうございました」

シゴトの本音 Q&A

1 現在の仕事内容を教えてください。
1 俳優、タレントの映像作品への営業。また担当俳優のスケジュール管理や現場でのフォローアップ。俳優のイベント企画運営

1 必要となる能力・スキルについて教えてください。
1 動き回る体力。仕事が決まらなかったときの気持ちをすぐに切り替える力。ファッションセンス、清潔感。

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